メラニンに反応し、高いエネルギーで組織を破壊するという医療レーザー脱毛には、逆に高エネルギーゆえの欠点も存在します。
まず第一に出力の弱い装置に比べ本来は痛みが強いこと。しかしこれは装置の工夫により、現在ではエステでの脱毛と遜色のないレベル(輪ゴムでパチンとはじかれた程度)におさえられており、旧来の電気針による脱毛に比べると格段に軽いものです。特にこのたび当院に新規導入したLight Sheer Duet HSは、従来のレーザー機器と比べてはるかに痛みが少なく、快適に脱毛を受けていただけます。
ただし男性のヒゲ脱毛など、毛が太くて密集している部位ではやはりある程度の痛みを伴います。この場合レーザーの出力を下げるなどして対応いたしますが、どうしても我慢できない方には麻酔クリームや貼り薬を使用します(別途料金がかかります)。
第二に肌の色の極端に黒い方、施術1週間以内に日焼けをした方はレーザー脱毛には不向きです。毛だけでなく皮膚のメラニンにもレーザーが反応し、ヤケドを起こしやすくなる、皮膚の色が白く抜ける、黒いシミが残るなどのトラブルのおそれがあるからです。ダイオードレーザーは皮膚の深いところに反応するような波長とパルス幅を持っているため、従来のレーザーより皮膚表面へのダメージは軽減されています。このため比較的浅黒い肌の方でも対応可能ですが、必ず事前にテスト照射をうけていただきます。
第三に施術後に生じる一過性の反応として、毛穴周囲の発赤・隆起などの炎症症状が現れることがあります。特に男性のヒゲ脱毛において顕著にみられます。これはレーザーによって変性した毛や周辺組織を排除しようとする、いわば正常な免疫反応ですので、通常は1週間程度でおさまります。しかしこの反応があまりに強いと、黒っぽいシミを残すことがありますので、テスト照射をしっかりと行い、施術後は毛穴に無用な刺激を与えないことが重要です(たとえばヒゲ脱毛後は電気カミソリを軽くあてる程度にします)。
当院では以上三点をしっかりご理解いただいた上で、肌質や部位によって出力設定を変えながら脱毛を行っています。